18日のライブにいらして下さった皆様 ありがとうございました。
18日(水) 渋谷でのライブにいらして下さった皆様、本当にありがとうございました。
東京で行ったVOICE SPACEの公演としては、去年12月以来、ほぼ半年振りでしたが、ライブ会場に一杯のお客様に、遅い時間まで見守って頂き、心より感謝しています。
今までの公演では、CD「声のまぼろし」に収録した曲や大型編成の曲を中心にプログラムを組んでいましたが、今回はメンバーそれぞれが、「自分のやってみたいもの」、「試してみたいもの」を中心に、オムニバス形式のプログラムを作りました。みなさんには、今までとは違った新しいVOICE SPACEの一面を感じていただけたのではないでしょうか。
私も四つの演目に、珍しく着物姿で登場し、箏を弾き、歌を歌い、「うがい」もしました。いやぁ、本当に楽しかったです!出演した演目について、ざっと振り返ってみます。
「ひとこと」(詩:佐々木幹郎/曲:澤村祐司)
私の処女作です。作ってからは5年が経ち、ここ2年は演奏していなかった曲を、久々に紐溶いてみようと思ったのは、前とはきっと違って自分に飛び込んでくるであろう、詩や歌の節に出会いたかったからです。詩の内容も、歌の旋律も変わっていない、でも、そこから受ける、感触やエネルギーが全く違っていたのです。また、折に触れて演奏します、きっと!
「ただたわいない幸福」(詩:草野心平『ごびらっふの独白』
構成:菊地裕貴、水本紗恵子 映像:水本紗恵子
今までのVOICE SPACEは、詩に対して、楽器や声で音楽を付けたりリズムをつけることを主にしてきましたが、この企画は、一つの詩の素材に、たわいのない会話と映像と、そして蛙の声をぶつけ合わせて作られたもので、本当に新しい香りのする演目になりました。
草野心平さんは福島出身。幼い頃から耳にしていた田んぼで鳴く蛙の声が、たくさんの詩によって文字になっています。その言葉のまあなんと不思議なこと。「蛙語」として朗読される言葉を聴いていると、まるで、新しい国の言語に出会ったような感覚を覚えてしまうからほんとに不思議です。佐々木幹郎さんが真剣に朗読されている横で、他の5人が、終始蛙の声を出す。それがうがいで、私もその一人でした。蛙役の6人(いや6匹)の、正面には、福島の自然風景の映像を映し出す画面があり、背後に客席!?そう、皆で、客席に背中を向けていました(なんと大胆 笑)。その客席からは福島弁の会話が飛び交っていて。あの10分の間だけ、会場そのものを、田んぼの見える自然風景にしてしまおうという試みの舞台だったのです。
皆さんは、どんな風に感じられましたか??
「潮音」(詩:島崎藤村/曲:宮城道雄)
62年の生涯の間に400近い曲を生み出した宮城道雄の作品の一つです。「春の海」が有名ですが、実は歌曲もたくさん作られているのです。
穏やかで壮大な春の海を歌ったこの曲を、テノールの黄木君に最初に聴いて貰った瞬間、彼は「いやぁいい曲」と絶賛し、直ぐに口ずさんでいました。それだけ親しみのあるメロディーだったのでしょうね。そこに尺八の元子さんも参加し、賑やかな練習を繰り広げました。曲そのものは4分以内なのに、やけに濃密な時間を重ねた、そんな印象があります。
普段私のやっている分野は、箏と尺八ではよく合奏しているものの、声楽も交えてというのはなかなか少ないこと。そんな機会も簡単に作れてしまうのも、VOICE SPACEにいられるからできることなのだと実感しました。この、賑わしトリオの演奏は、また直ぐに実現しそうです!
「明日」(詩:佐々木幹郎/曲:小田朋美、中村裕美/編曲:小田朋美)
出演者全員が舞台に出て、歌い奏でた合唱曲でした。
この詩は、東日本大震災の約2週間後、詩人 大竹昭子さん主催により、サラバ東京で緊急開催された「言葉のポトラック」。そのイベントの折に書かれた、佐々木幹郎さんの作品でした。この詩に、作曲家二人がアイディアを投じて完成した曲です。
合唱が好きでしかたがない私は、「子守唄よ」と共に、また皆で歌える曲ができたことが、本当に嬉しいです。
ああ、簡単に振り返るつもりがこんなに長くなってしまいました。
改めて、本当にありがとうございました。
作っていくことで 次の何かに繋げていきたいです こころね
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 新玉の年 2014によせて(2014.01.04)
- ラジオの再再放送とか(2013.11.16)
- よいろの会(2013.10.03)
- よいろいろいろ(2013.10.01)
- 日盲連演奏会(2013.09.30)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント